本研究の目的は、在宅で生活する重症心身障害児とその介護者を対象とし、障害児の睡眠障害の頻度および特徴と介護者の睡眠問題と負担感を明らかにすることである。本年度は、これまで行った質問紙調査と客観的睡眠観察調査を分析した。在宅で生活する重症心身障害児の睡眠の問題を先行文献より「入眠と睡眠の維持の問題」、「睡眠中の呼吸の問題」、「過度の眠気の問題」、「概日リズムの問題」、「睡眠に関連する運動の問題」の5つに分類した。その結果、「入眠と睡眠の維持の問題」が最も多く57.0%、次に「睡眠に関連する運動の問題」52%であった。介護者の介護負担感と「入眠と睡眠の維持の問題」、介護者の睡眠の質と「睡眠中の呼吸の問題」、「概日リズムの問題」が関連しており、重症心身障害児と介護者のQOLを高めていくためには、「入眠と睡眠の維持の問題」、「睡眠中の呼吸の問題」、「概日リズムの問題」に注目して重症心身障害児の睡眠に介入していく示唆を得ることができた。
|