研究概要 |
本研究の目的は、地域保健分野における協働について、文献・事例・フォーカスグループインタビュー等により評価指標を作成し、保健所・市町村保健師を対象とした質問紙調査をおこない、協働の実態と認識を明らかにし、今後の課題を検討することである。 平成21年度は、高齢者の心身の機能維持と住民との協働による健康づくりを目的とした予防的健康支援システム形成の先進地の視察やインタビューをおこない、活動の評価方法について示唆を得た。また、文献・実践事例の検討の結果、全国の自治体において協働の基本方針等の策定がおこなわれていることがわかったため、その整理をおこなった。47都道府県のうち協働について明確な定義を定めた基本方針等を策定しているのは44都道府県(94%)であり、基本方針等における協働の定義を意味・内容毎に区切ったものをキーワードとして整理すると、協働とは『行政と住民などが,お互いの特性・立場を認識,尊重しあい,相乗効果をあげるために,役割と責任を持ちながら,対等な立場で共通する目的・目標に向けて主体的に協力しあうことである。これらは,開かれたプロセスの中で行うことが望ましい。』と考えられた。しかし,その策定体制についてみると,基本方針等の策定において住民参加の体制が十分に整えられているとは言い難く,策定するプロセスが十分に公開されていない可能性があることがわかった。 平成22年度は、これまでの結果をふまえて、保健所・市町村保健師を対象とした質問紙調査をおこなう予定である。
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