老研式活動能力指標を用いて生活機能を測定し、遺伝的要因は生活機能にどの程度寄与しているのかを推定すること、どのような生活環境要因が双生児ペアの生活機能の差異に影響しているのかを明らかにすることを目的に研究を行った。老研式活動能力指標の下位尺度の一つである社会的役割について遺伝要因の関与が示唆されたが、生活機能に関連する大部分は個人に特有の環境要因であった。次に、双生児ペアの生活機能の差異に影響している環境要因を分析したところ、週3回以上の運動習慣が有るものでは無いものと比較し、生活機能障害のリスクが0.15倍低いことが示された。国内の双生児を対象にケースコントロール研究を行ったものはほとんど無く、今回の研究は生活機能維持のための新たなエビデンスと成り得ると考えられた。
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