本研究はICタグモニタリングシステムによる認知症患者の客観的な活動データとして夜間徘徊と、スタッフによる直接観察データとして夜間の睡眠/覚醒チェック表の比較を行った。その結果、患者は観察期間の40%で夜間徘徊があり、徘徊がある場合は1時間に36mほど歩行していたことが明らかになった。また、ICタグによる客観的な夜間徘徊の29%をスタッフの観察で網羅されていることが分かった。スタッフは、特別なエピソード(発熱や薬剤の変更など)に注意をして患者を観察していることが示唆された。また患者の夜間徘徊には変動があることも示すことができた。
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