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2008 年度 実績報告書

動物との交流をめぐる認知症高齢者のコミュニケーションの発展性:縦断的観察から

研究課題

研究課題/領域番号 20791774
研究機関札幌市立大学

研究代表者

河村 奈美子  札幌市立大学, 看護学部, 助教 (50344560)

キーワード看護 / 認知症 / 高齢者 / 精神看護 / アニマル・セラピー / 人と動物 / コミュニケーション / 老年看護
研究概要

本研究の目的は、対人交流やコミュニケーションに支障を持ち、認知症治療病棟に入院している高齢者に、AATや動物を活用したレクリエーションを実施し、継続的かつ詳細な観察や評価を通して患者一動物間、動物が存在する環境での患者間、患者-スタッフ間における、コミュニケーションのありようを詳細に記述し分析し、その発展性を検討することによって、精神看護領域におけるAAT活動の構築を目指す基礎的研究として資料を作成することにある。
本年度は、まず研究の実施にあたり協力を得られた2施設の認知症病棟におけるアニマルアシステッドアクティビティ(AAA)実施に向けて、施設やボランティア団体との打ち合わせや手続きを行い、その後倫理委員会の承認を受けた。実際の研究を実施する前段階として対象者2名に4-6回のAAAを実施したのち、4名の対象者に対するAAAによる反応やコミュニケーションを記録した。同時に精神機能評価に関して尺度(GBS、MENFIS、N-ADL、MNスケール)を用いて記録し分析中である。
また、対象病棟における職員に対してAAA前、6回実施後に、参加高齢者に関するアンケートを実施し、集計している。AAA実施前においては、2施設において46名の職員から回答が得られ、そのうち45名を分析対象とした。病棟でのAAAの参加経験の有無は、参加高齢者の犬、他の参加者、ボランティアに対する態度それぞれの項目において高齢者の意欲やコミュニケーションの発展に対する期待が高い傾向にあった。
さらに、認知症対象者のAAAにおける参加中のコミュニケーションのビデオ観察からは、犬の行動や状態に関する発話は初めから比較的多く見られ、犬の心的状態に関する発話は少ないが徐々に見られる様子が観察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 認知症高齢者へのアニマル・セラピー : 暴力的な行動の消失に向けて2009

    • 著者名/発表者名
      河村奈美子
    • 雑誌名

      ヒトと動物の関係学会誌 21

      ページ: 54- 61

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Animal- Assisted Activity : Experiences of Institutionalized Japanese Older Adults2009

    • 著者名/発表者名
      Namiko Kawamura
    • 雑誌名

      Journal of Psychosocial Nursing and Mental Health Services 47 (1)

      ページ: 41- 47

    • 査読あり
  • [学会発表] Animal assisted therapy for elderly Japanese dementia patients : A longitudinal study2008

    • 著者名/発表者名
      Namiko Kawamura
    • 学会等名
      X IV World Congress of Psychiatry
    • 発表場所
      Prague, Czech Republic
    • 年月日
      20080920-25
  • [学会発表] 動物との交流にみられる認知症高齢者の心の動き2008

    • 著者名/発表者名
      河村奈美子
    • 学会等名
      日本精神保健看護学会第18回学術集会
    • 発表場所
      東京都東京女子医科大学
    • 年月日
      20080621-22
  • [学会発表] 動物との交流の場における認知症高齢者Aさんの他者との関係のなかに体験される世界2008

    • 著者名/発表者名
      河村奈美子
    • 学会等名
      日本質的心理学会第5回大会
    • 発表場所
      筑波市筑波大学
    • 年月日
      2008-11-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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