本研究では、対人交流やコミュニケーションに支障を持ち、認知症治療病棟に入院している高齢者に、動物を活用したレクリエーション(Animal Assisted Activity : AAA)を実施し、継続的かつ詳細な観察や評価を通して患者-動物間、動物が存在する環境での患者間における、コミュニケーションについて詳細に記述し分析を試みた。対象病棟のケア職員に対しては質問紙調査を用いて、AAAの捉え方について調査した。参加高齢者に対してはコミュニケーションの様子について継続的にビデオを用いて観察した。参加高齢者の動物の行動や状態に関する発話は初めから比較的多く見られ、犬の心的状態に関する発話は少ないが徐々にみられる様子が観察された。
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