本研究の目的は、メンタルヘルス問題を抱えた休職者が職場復帰後に再発せずに職務を遂行するための支援のあり方を検討するために、休職前・休職中・職場復帰後の各段階に即して事例性の様相を明らかにすることである。個々の事例を検討した結果、労働者のメンタルヘルス問題の主な要因、職場との関係性、メンタルヘルス対策の内容がそれぞれに密接に関係していることが明らかになった。その結果、産業看護職がメンタルヘルス問題への早期介入による早期解決をはかることの重要性に加えて、職場の寛容性や職場環境づくりへの働きかけや労働者が問題を抱える以前からの個別支援の必要性が示唆された。
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