精神障害者にとっての入院経験は、長期入院生活を送る上で自己の安定性・肯定性を確保するために必要な【精神科の患者】へと自己アイデンティティを再編成した経験と意味づけされていた。そして、精神障害者にとっての「スティグマ」は自分自身を【精神科の患者】と存在規定したことであり、精神科病院での入院生活が「スティグマ」付与の過程であると示唆された。 また、社会参加過程において感じている「生活のしづらさ」は、自己の喪失感、自己表現の喪失、内なる偏見の存在の3点と考えられた。この3点は精神疾患に由来するというより、精神科病院入院中に形成された自己否定的な自己概念に由来するともの考えられた。
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