研究概要 |
本研究の目的は、病院に入院中の認知障害をもつ特に認知症高齢者を対象とし、病院版認知症高齢者用転倒危険予測尺度の開発に向けて,転倒リスク因子の探索と尺度の構成に努めることである。初年度調査では、6か月の調査を行い、777名(うち転倒者123名)を分析対象とした。転倒者に有意な関連がみられた項目は、レビー小体型認知症、身体的治療、歩行状態、転倒経験、予防措置、認知症の重症度、ADL、BPSDであった。次年度は調査結果を基に尺度を構成し、新たに3か月の調査を行った。内容は、認知機能、BPSD、薬物、移動、排泄、入院期間、転倒経験とした。対象は169名(うち転倒者25名)。精度は既存尺度よりも若干よかった。結果より予防措置が行われていたにもかかわらず転倒事故が生じていた事例や尺度に当てはまらない事例がみられた。
|