研究概要 |
本研究の目的にある, 夜間のベッドまわりで多く発生している転倒・転落について, 高齢者の視覚情報に注目し, 低照度における高齢者のベッド移動時の視線変化について特徴を明らかにすることの第一歩として初年度は以下のことを取り組んだ。平成20年度は基礎実験として, 夜間の医療施設の病室ベッド環境に類似した環境下で, リクライニングシートから降り出入口の扉を開け, 廊下を5m歩き再びリクライニングシートへ横になるという-連の動きの視線変化について高齢者群と若年者群を対象に, 実験計画を再検討した. その後, 本学医学部の倫理審査申請後, 2-3月に実験を実施した。 【研究方法】夜間の医療施設の病室ベッド環境に類似した実験室内で, 場面(1)日中の病棟を想定(室内・廊下ともに200lx程度), 場面(2)夜間の病棟を想定(室内1-2lx, 廊下2001x程度)した2つの場面を同日内でランダムに実施した。 【被験者】地域のシルバー人材センターへ健常な高齢者, 学内掲示板にて健常な若年者へ「夜間のベッド移動時の高齢者の視線変化」 についての実験を依頼し, 対象者を募った.健常な高齢者13名と健常な若年者13名を対象に実験を実施した。 【実験環境】医療機関の病室のベッド環境に類似した実験室にて実施 照度は, JIS病院照度基準1)に基づき以下のように設定する。 場面(1)日中の病棟を想定(床面照度室 : 内・廊下ともに200lx程度) 場面(2)夜間の病棟を想定(床面照度 : 室内1-2lx, 廊下200lx程度) 温度・湿度は一定に調整. 【実験機器】視線の変化をとらえる機器として眼球運動計測装置を用いる。その他, 心拍数, 血圧, 重心動揺計を用いた。分析は, 移動中の視線変化, 行動時間を対象者, 場面の違いについて, 21年度に実施する。
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