• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

長期在宅人工呼吸療養者における健康問題と看護支援の体系化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20791812
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

中山 優季  (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (00455396)

キーワード医療福祉 / 難病看護
研究概要

本研究の目的は、筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS)長期人工呼吸療養者の生活の質の向上に寄与するために、1)わが国における長期人工呼吸療養者に生じる健康問題とその対応に関する支援の体系化を図ること、2)米国における1)についての相違点を検討し、長期人工呼吸療養者へのケアの基準化についてを考察することである。
従来、ALSでは眼球運動障害や随意運動障害以外の症状は生じない(陰性徴候)とされてきたが、経過に伴い、これらの陰性徴候が出現しうることが知られている。しかし、その発生状況や対応については、明らかになっておらず、対応は困難を極めている。本研究では、10例の詳細な療養経過の分析により、生じていた対応困難な健康問題を抽出し、さらに、2病院における横断調査により、その出現程度を踏まえ、身体部位別に整理した。その結果、対応困難な健康問題は、眼乾燥や滲出性中耳炎、ロ腔内症状、循環器症状(血圧変動、低体温など)、消化器症状(ガス貯留、腫瘍、血糖値変動など)、感染症状など全身各部に至ること、特に眼球運動障害に伴う意思伝達困難により、症状の出現や程度の把握が極めて困難なこと、これらの症状の出現は人工呼吸療法期間と必ずしも関係があるわけではないことが明らかとなった。また、文献検討や招聘者とのディスカッションにより、欧米では、社会文化的背景の相違があり、長期人工呼吸療養者やその転帰の把握が非常に困難であるものの、生じた対応困難な症状には、共通性があることが明らかとなった。
今後は、生じた健康問題の発生機序とその対策に関する検討と米国での状況を踏まえた考察により、その支援方法についての体系化を図ることが課題である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 日米における難病療養者支援の概況・米国におけるALS患者の療養支援と看護2008

    • 著者名/発表者名
      中山優季, Pamela. A., Cazzolii
    • 雑誌名

      日本難病看護学会誌 13(2)

      ページ: 112-118

  • [雑誌論文] 筋疾患療養者の社会参加と外出の状況に関する検討2008

    • 著者名/発表者名
      中山優季, 小倉朗子, 板垣ゆみ, 他
    • 雑誌名

      日本難病看護学会誌 12(3)

      ページ: 211-299

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 疾患別看護過程+病態関連図(医学書院)2008

    • 著者名/発表者名
      中山 優季 (共著)
    • ページ
      1177-1215
  • [雑誌論文] 第3章 難病患者の在宅医療2008

    • 著者名/発表者名
      中山 優季 (共著)
    • 雑誌名

      在宅医療の諸相と方法(中央法規出版)

      ページ: 48-68

  • [学会発表] Evaluation of the care environment and problems in ALS Home Mechanical Ventilator users2008

    • 著者名/発表者名
      Yuki Nakayama, Akiko Ogura
    • 学会等名
      19th International Symposium on ALS/MND
    • 発表場所
      Birmingam
    • 年月日
      2008-11-04
  • [学会発表] ALS患者の医療・生活支援を通して2008

    • 著者名/発表者名
      中山優季
    • 学会等名
      第18回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会
    • 発表場所
      愛媛民文化会館(愛媛)
    • 年月日
      2008-10-25
  • [学会発表] ALS在宅人工呼吸療養者の移乗方法に関する検討2008

    • 著者名/発表者名
      中山優季、松田千春、小倉朗子
    • 学会等名
      第18回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会
    • 発表場所
      愛媛民文化会館(愛媛)
    • 年月日
      2008-10-24
  • [学会発表] ALS療養者の意思伝達困難時期における健康問題と意思伝達の工夫2008

    • 著者名/発表者名
      中山優季、松田千春、小倉朗子
    • 学会等名
      第13回日本難病看護学会学術集会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京)
    • 年月日
      2008-08-30
  • [学会発表] 日米における難病療養者支援の概況2008

    • 著者名/発表者名
      中山優季
    • 学会等名
      第13回日本難病看護学会学術集会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京)
    • 年月日
      2008-08-29
  • [学会発表] 在宅人工呼吸療養者の療養環境実態に関する検討2008

    • 著者名/発表者名
      中山優季、小倉朗子
    • 学会等名
      第30回日本呼吸療法医学会学術総会
    • 発表場所
      長野県松本文化会館(長野)
    • 年月日
      2008-07-04

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi