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2008 年度 実績報告書

大規模連立一次方程式の高速求解技術の構築と並列固有値解法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20800009
研究機関筑波大学

研究代表者

多田野 寛人  筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教 (50507845)

キーワード連立一次方程式 / Block Krvlov部分空間反復法 / 周回積分を用いた並列固有値解法
研究概要

本研究課題では,複数の右辺ベクトルを持つ連立一次方程式の高速求解法の開発を目的としている.このような連立一次方程式は,格子量子色力学計算の物理量計算や,代表者らが提案している周回積分を用いた並列固有値解法で現れる.これらにおいて,連立一次方程式の求解が計算時間の大部分を占めるため,高速化が必要とされている.
複数の右辺ベクトルを持つ連立一次方程式の反復解法として,Block Krylov部分空間反復法が提案されている.今年度は,Block Krylov部分空間反復法の研究動向を調査し,周回積分を用いた並列固有値解法に適用した.Block Krylov部分空間反復法は,前処理と呼ばれる技法と組み合わせて用いることで,反復回数が大幅に減少する.しかしながら,前処理を精度良く行うと反復回数は減少するものの,多くの計算時間とメモリ量を必要とする.計算時間とメモリ消費量を抑えるため,前処理をより不完全に行った場合,従来のKrylov部分空間反復法では解を得るまで非常に多くの反復回数を要した.一方,Block Krylov部分空間反復法を適用することで,同じ精度の前処理にもかかわらず従来の方法よりも圧倒的に少ない反復回数で解が得られることを明らかにした.
平成20年度は,Block Krylov部分空間反復法を適用するだけでなく,解法そのものの研究も実施した.上記のように,Block Krylov部分空間反復法を適用することで,少ない反復回数で解が得られるが,最終的に得られる解の精度が悪化する可能性があることがわかった.代表者らは精度悪化の原因を突き止め,高精度の解を生成する新たなBlock Krylov部分空間反復法を提案した(論文投稿中).

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 周回積分法に対するBlock Krylov部分空間反復法の適用と分子軌道計算への応用2009

    • 著者名/発表者名
      多田野寛人,櫻井鉄也
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌コンピューティングシステム (採録決定済み)

    • 査読あり
  • [学会発表] Block BicGsTAB法における解の精度劣化の解析とその改善法の提案.2009

    • 著者名/発表者名
      多田野寛人
    • 学会等名
      第6回計算数学研究会
    • 発表場所
      ウェルハートピア熱海
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] 周回積分法に対するBlock Krylov部分空間反復法の適用と分子軌道計算への応用2009

    • 著者名/発表者名
      多田野寛人,櫻井鉄也
    • 学会等名
      2009年ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム(HPCS2009)
    • 発表場所
      東京大学武田先端知ビル
    • 年月日
      2009-01-23
  • [学会発表] A Performance Evaluation of Block Krylov Subspace Methods for the Contour Integral Method.2008

    • 著者名/発表者名
      H. Tadano and T. Sakurai
    • 学会等名
      International Symposium on Frontiers of Computational Science 2008
    • 発表場所
      名古屋大学シンポジオンホール
    • 年月日
      2008-11-29
  • [学会発表] Block CIRR法に対するBlock Krylov部分空問反復法の適用と性能評価2008

    • 著者名/発表者名
      多田野寛人,櫻井鉄也
    • 学会等名
      日本応用数理学会2008年度年会
    • 発表場所
      東京大学柏キャンパス
    • 年月日
      2008-09-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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