接触と同調のコミュニケーション研究‐海洋動物イルカの視点から‐

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20800014
• 研究種目: 研究活動スタート支援
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 認知科学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 酒井 麻衣 東京大学, 生命科学ネットワーク, 特任助教 (40512299)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 社会行動 / コミュニケーション / 動物行動学 / 認知科学 / 海洋動物 / イルカ / 鯨類 / ハクジラ亜目

研究概要

小型ハクジラ亜目は、接触や同調を用いてコミュニケーションを行う。本研究では、その詳細や発達・進化を明らかにすることを目的とし、野生個体の水中観察、飼育個体の観察、バイオロギングの3つの手法を用いて研究を行った。その結果、ミナミハンドウイルカの呼吸同調が親和的社会行動の一部であることを示した。また、マイルカ科とネズミイルカ科では胸ビレを用いる社会行動に相違がみられることや、社会性が乏しいとされてきたスナメリが他個体と社会関係を築く可能性を示した。

研究成果

• [雑誌論文] ミニシンポジウム記録海洋動物の群れを考える-社会性・生態・遺伝子の視座から-2.イルカの社会行動 (2011)
  • 著者名/発表者名: 酒井麻衣
  • 雑誌名: 日本水産学会誌 77 ページ: 118
  • 査読あり
• [雑誌論文] Swim speed and acceleration measurements of short-finned pilot whales (Globicephala macrorhynchus) in Hawai'i. (2011)
  • 著者名/発表者名: Mai Sakai, Kagari Aoki, Katsufumi Sato, Masao Amano, Robin W.Baird, Daniel L.Webster, Gregory S.Schorr, Nobuyuki Miyazaki
  • 雑誌名: Mammal Study. 36 ページ: 55-59
  • 査読あり
• [雑誌論文] Fine-scale analysis of synchronous breathing in wild Indo-Pacific bottlenose dolphins (Tursiops aduncus). (2010)
  • 著者名/発表者名: Mai Sakai, Tadamichi Morisaka, Kazunobu Kogi, Toru Hishii., Shiro Kohshima
  • 雑誌名: Behavioural Processes 83 ページ: 48-53
  • 査読あり
• [雑誌論文] 野生鯨類の社会行動に関する研究 (2008)
  • 著者名/発表者名: 酒井麻衣
  • 雑誌名: 月刊「海洋」 40(10) ページ: 585-589
• [雑誌論文] Reactions of Heaviside's dolphins to tagging attempts using remotely-deployed suction-cup tags.
  • 著者名/発表者名: Mai Sakai, Leszek Karczmarski, Tadamichi Morisaka, Meredith Thornton
  • 雑誌名: South African Journal of Wildlife Research (採録決定)
  • 査読あり
• [学会発表] Contact swimming behavior in wild Indo-Pacific bottlenose dolphins. (2011)
  • 著者名/発表者名: Kanang Chaturaphatranon, Mai Sakai, Kazunobu Kogi, Shiro Kohshima
  • 学会等名: 第58回日本生態学会
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター,北海道
  • 年月日: 20110308-20110312
• [学会発表] ハンドウイルカ属における接触行動の比較研究 (2011)
  • 著者名/発表者名: 酒井麻衣,小木万布,荒井一利,幸島司郎
  • 学会等名: 平成23年度日本水産学会春季大会
  • 発表場所: 東京海洋大学
  • 年月日: 2011-03-29
• [学会発表] A comparative study of flipper rubbing behavior in genus Tursiops. Biodiversity, Zoos and Aquariums : The message from animals. (2010)
  • 著者名/発表者名: Mai Sakai, Kazunobu Kogi, Kazutoshi Arai, Shiro Kohshima
  • 学会等名: Kyoto University International Symposium, COP10 partnership project.
  • 発表場所: 港湾会館,名古屋
  • 年月日: 20100919-20100921
• [学会発表] 海洋動物の群れを考える-社会性・生態・遺伝子の視座から-2.イルカの社会行動 (2010)
  • 著者名/発表者名: 酒井麻衣
  • 学会等名: 平成22年度日本水産学会秋季大会 ミニシンポジウム
  • 発表場所: 京都大学
  • 年月日: 2010-09-22
• [学会発表] バイオロギングシステムを用いた水棲動物研究 16-スナメリにおける同調潜水の分析- (2010)
  • 著者名/発表者名: 酒井麻衣,王丁,王克雄,李松海,赤松友成
  • 学会等名: 平成22年度日本水産学会春季大会
  • 発表場所: 日本大学
  • 年月日: 2010-03-27
• [学会発表] Swim speed and acceleration measurements of short-finned pilot whales (Globicephala macrorhynchus) in Hawai'i. (2010)
  • 著者名/発表者名: Mai Sakai, Kagari Aoki, Katsufumi Sato, Masao Amano, Robin W.Baird, Daniel L.Webster, Gregory S.Schorr, Nobuyuki Miyazaki
  • 学会等名: Bio-Logging Science, University of Tokyo : UTBLS Workshop
  • 発表場所: Koshiba hall, University of Tokyo
  • 年月日: 2010-02-16
• [学会発表] 飼育下スナメリの接触を伴う行動 (2009)
  • 著者名/発表者名: 野口加耶子,吉田弥生,酒井麻衣,岡村博美,石橋敏章,高田浩二,幸島司郎
  • 学会等名: 日本動物行動学会第28回大会
  • 発表場所: 筑波大学
  • 年月日: 20091127-20091129
• [学会発表] 野生ミナミハンドウイルカの社会行動～一緒に泳ぐ行動について～ (2008)
  • 著者名/発表者名: 宮嵜有紀,酒井麻衣,小木万布,幸島司郎
  • 学会等名: 日本動物行動学会第27回大会
  • 発表場所: 金沢大学
  • 年月日: 20080924-20080926
• [学会発表] 野生鯨類の社会行動に関する研究 (2008)
  • 著者名/発表者名: 酒井麻衣
  • 学会等名: 東京大学海洋研究所共同利用研究集会,生理,行動,分子から見た海棲哺乳類の生物学-最近の話題から-
  • 発表場所: 東京大学海洋研究所
  • 年月日: 2008-06-13
• [図書] Advances in Sociology Research(SOCIAL CONTACT AND SYNCHRONY IN WILD DOLPHINS Volume 11)
  • 著者名/発表者名: Mai Sakai
  • 出版者: (印刷中)
• [備考] ナショナルジオグラフィックのWebビデオニュースにて、御蔵島における研究が紹介された(2008年11月10日)
  • URL: http://video.nationalgeographic.com/video/player/news/animals-news/japan-dolphin-apvin.html