1.ハンセン病医学の史的展開の検証:大阪大学生命科学図書館・長野県立歴史館等にて調査を行い、本研究の対象時期の医学論文等収集を行った。その他の資料所蔵先からは、主に郵送による複写・図書館間協力サービスを利用して収集した。疫学調査・病理学・治療法・遺伝学などが相互に作用しながらハンセン病医学内でもテーマが細分化し、政策決定過程に関わってゆく経緯が明らかになりつつある。 2.海外のハンセン病医学研究:19世紀末〜20世紀初頭における諸外国のハンセン病医学の展開を明らかし、日本のハンセン病その他の疾病環境がどのように把握されていたかを位置づけるため、フィリピン・クリオン島Culion Museum and Archives、およびフィラデルフィアThe College of Physicians of Philadelphia歴史図書館で調査を実施した。前者では世界のハンセン病史関連資料を幅広く収集することができた。後者では形成初期の国際ハンセン病医学界の主要人物による著作・論文・書簡等、本研究にとって重要な基礎的データを収集した。 3.国内関連法制の調査:1908年・1931年の二度の画期における国内のハンセン病法制について、実際の運用のあり方を調べるため各都道府県の府県令の収集を継続中である。
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