高校生の生きる力・ストレス対処能力SOCの形成・発達に関する追跡調査を実施した。すでに平成20年5月に平成20年度初回調査が実施されており、続いて、11月に2回調査、平成21年2月に3回調査を実施した。11月の調査は生徒1019名に対し989名(97.0%)、2月の調査は、940名(92.2%)回収された。調査データは平成20年度の3回のデータならびに前年の平成19年度に実施されていた3回のデータを合わせて6回の縦断データとして扱った。その結果高校生のストレス対処能力SOCは、入学初年度に低下し、1年時の3学期を境に再び上昇する下に凸の二次曲線的変化をすることが明らかとなった。また、全体的に女子の方が心身症状が多い傾向にあり、特に、イライラ、めまいは女子に多く見られた。学年別では3年製のほうが心身症状を訴える傾向にあった。「生きる力SOC」の強さとメンタルヘルスは男子のほうが学年を問わず良好である人が多い傾向にあり、メンタルヘルスが良好な群で「生きる力SOC」が強い人の割合が多い傾向がうかがえた。また、半数以上の生徒が「学校でクラスの友達と話しているとき」「趣味をしているとき」に生きがいを感じていた。生きがいの数は男子より女子の方が多く、「何を生きがいと感じるか」にも男女でかなりの違いが見られた。特に学校生活と趣味に多くの回答が見られた。こうした「生きがい」の数を持っている生徒ほど、「生きる力SOC」が強い傾向もみられた。
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