• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

高校生の生きる力・ストレス対処能力SOCの形成・発達に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20800036
研究機関山口大学

研究代表者

戸ヶ里 泰典  山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20509525)

キーワードストレス / 学校保健 / 首尾一貫感覚
研究概要

2009年度は、5月、11月、2月に、本調査対象校の2007年度入学生を対象とし、昨年度から継続の、第7回、8回、9回の追跡調査を実施した。2007年度入学生に関しては、1年生の3月から卒業直前の3年生2月の計9時点のデータがそろったこととなった。そこで、1年生の5月から3年生の2月まで計9回にわたり測定されたsense of coherence (SOC)スコア変動および、その変動に対して、成功経験としての主観的な成績評価、ならびに心理社会的学校要因として、学校帰属感覚における生徒からの受容的環境、教師からの受容的環境、所属感覚の3下位尺度がどのように影響するか探索をおこなった。Latent Growth Curve Modelでの結果、SOCスコア自体は、3年間ではU字型の曲線的変動が生じていることが明らかとなった。さらに、高校1年の3学期の教師からの受容的環境と所属感覚は、男女ともに変動曲線の方程式における一次項には正に関連をみせた。これは二次曲線の頂点をより早い時点に引きよせる傾向、すなわち下降傾向から上昇傾向に転じる時点を早める効果が考えられる。また、男女ともに両者は曲線方程式の二次項への負の関連をみせた。このことからSOCの急激な上昇的ではなく、より緩やかな変動をもたらす効果があることがわかった。さらに、男子においては中学3年生時に成績が良いと評価したものは切片に正の関連、一次項に負の関連、二次項に正の関連を見せた。これは、中学生時の成績が良いと、入学時のSOCは高くなるが、その後の下降傾向から上昇傾向に転じる時期は遅れ、急激な変化をもたらしやすい可能性が考えられた。以上より、高校生期におけるSOCの変動の実態とその変動を促す要因の一端が今回はじめて明らかになったと言える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 高校生におけるSense of Coherence(SOC)の関連要因の検討 小・中・高の学校生活各側面の回顧的評価とSOCの10ヵ月間の変化パターンとの関連性2009

    • 著者名/発表者名
      戸ヶ里泰典
    • 雑誌名

      日本健康教育学会誌 17

      ページ: 71-86

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SOCスケールとその概要 SOCスケールの種類と内容・使用上の注意点・課題2009

    • 著者名/発表者名
      戸ヶ里泰典
    • 雑誌名

      看護研究 42

      ページ: 505-516

  • [学会発表] 高校生の健康と生きる力につながる生活探しの調査研究第4報~心理社会的学校環境と成功経験がsense of coherenceの2年間の変化に与える影響2009

    • 著者名/発表者名
      戸ヶ里泰典
    • 学会等名
      第56回日本学校保健学会
    • 発表場所
      沖縄県・沖縄県立看護大学
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] Sense of Coherence and Related Psychosocial Factors among Students and their Parents of a Japanese Urban High School2009

    • 著者名/発表者名
      Wako Tanaka, Taisuke Togari
    • 学会等名
      1st Asia-Pacific Conference for Health Promotion and Education
    • 発表場所
      千葉県・幕張メッセ
    • 年月日
      2009-07-20
  • [学会発表] 高校生におけるSense of Coherence(SOC)の関連要因の検討 小・中・高の学校生活各側面の回顧的評価とSOCの10ヵ月間の変化パターンとの関連性2009

    • 著者名/発表者名
      戸ヶ里泰典
    • 学会等名
      第18回日本健康教育学会
    • 発表場所
      東京都・東京大学
    • 年月日
      2009-06-20

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi