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2009 年度 実績報告書

音素変化の影響を受けにくい音声モーフィング技術の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20800062
研究機関関西学院大学

研究代表者

森勢 将雅  立命館大学, 情報理工学部, 助教 (60510013)

キーワード感性情報学 / 音声情報処理 / 音声モーフィング
研究概要

本研究は,2つの音声から主観的にその中間的な印象を与える音声を合成可能な音声モーフィング技術の高品質化を目標とする.本年度は,音声モーフィング技術の品質向上のみならず,音声モーフィング技術の基盤となる高品質音声分析変換合成法TANDEM-STRAIGHTの計算コスト削減と高速化を実現する分析法の提案,および実時間分析合成を可能とするC言語ライブラリの実装と配布を目標として研究を進めた.
音声モーフィングは,申請者らが提案したTANDEM-STRAIGHTを用いて音声を3つの音響パラメタ(基本周波数,スペクトル包絡,非周期性指標)に分離し,それぞれの音響パラメタをモーフィングし再合成することで実現される.高品質なモーフィングを実施するためには,モーフィングを実施する2つの音声の音素境界やフォルマント周波数に相当するスペクトルのピークを対応付ける必要がある.従来の音声モーフィング技術では,作業者の経験による手作業により対応付けが行われている.対応付けは,数秒の音声のモーフィングにおいても数時間を要する煩雑なものである.
本研究では,対応付けを,同一楽曲の歌唱では声質の類似した歌手が歌うという制約を利用し,(1)音声認識ソフトウェアによる時間軸の自動対応付け,(2)フォルマントが隣接した周波数に存在するという条件を利用した周波数軸の対応付けの省略により自動化できることを示した.また,有声音成分のみを他者のものと置き換えることで,調音結合やフォルマントの対応付けを必要としない声質変換を実現する技術の提案を行った.さらに,TANDEM-STRAIGHTにおける音声分析法の高速化を実現することで,モーフィングを含む音声分析合成の一連の作業を高速化することに成功した.これらの技術をより広く周知させるため,TANDEM-STRAIGHTによる音声の分析合成を実時間にて実現するC言語のライブラリをフリーで利用できるようにWebを通じて配布した.配布されたライブラリを用いた歌唱合成システムが開発された実績を持つことからも,本研究の主要な成果を社会還元することに成功したといえるだろう.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 基本波検出に基づく高SNRの音声を対象とした拘束なFO推定法2010

    • 著者名/発表者名
      森勢将雅, 西浦敬信, 河原英紀
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 論文誌D J93-D

      ページ: 109-117

    • 査読あり
  • [学会発表] STRAIGHTスペクトルと格子型フィルタに基づく音声の極推定と評価2010

    • 著者名/発表者名
      中野皓太, 森勢将雅, 西浦敬信
    • 学会等名
      日本音響学会2010年春季研究会
    • 発表場所
      東京(電気通信大学)
    • 年月日
      2010-03-09
  • [学会発表] Rapid FO estimation for high-SNR speech2009

    • 著者名/発表者名
      M.Morise, H.Kawahara, T.Nishiura
    • 学会等名
      The 10^<th> Western Pacific Acoustics Conference
    • 発表場所
      北京(中国)
    • 年月日
      2009-09-22
  • [学会発表] 歌唱モーフィングにおける対応付けの自動化に関する検討2009

    • 著者名/発表者名
      森勢将雅, 大西壮登, 河原英紀, 片寄晴弘, 西浦敬信
    • 学会等名
      日本音響学会2009年秋季研究会
    • 発表場所
      福島(日本大学)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] 音声合成を目的とした励起信号抽出に関する初期的検討2009

    • 著者名/発表者名
      中野皓太, 森勢将雅, 西浦敬信
    • 学会等名
      日本音響学会2009年秋季研究会
    • 発表場所
      福島(日本大学)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] v.morish'09 : A morphing-based singing design interface for vocal melodies2009

    • 著者名/発表者名
      M.Morise, M.Onishi, H.Kawahara, H.Katayose
    • 学会等名
      8^<th> International conference on entertainment computing
    • 発表場所
      パリ(フランス)
    • 年月日
      2009-09-03

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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