研究課題
本研究では大規模なウェブ情報およびセンサ情報を利用したウェブと実世界における情報推薦を目的とし、次の2つの主たる技術を大目標として研究開発を行なった。(1)大規模ウェブ情報とセンサ情報からのユーザ嗜好やコンテキストの抽出・構造化技術(2)ユーザの嗜好、時空間情報、人間関係といったコンテキストを考慮した情報推薦技術具体的には、研究計画で示したシナリオを元に、街へ来訪者を支援するサービスを想定し、ユーザの街におけるさまざまな情報をセンサにより取得した。センサからは、行動情報、騒音や天気などの環境情報といったユーザ情報を取得した。さらに、ユーザのウェブ上における行動をブログシステムにより取得した。ブログシステムからユーザの生成したテキストを通して、センサだけでは取得できないユーザの主観的な情報を取得した。平成20年度は、センサおよびウェブから取得したユーザ情報を用いたユーザの嗜好やコンテキストの推定に取り組んだ。具体的にはセンサおよびウェブ情報を抽象化した属性を用いて、ユーザの嗜好やコンテキストを推定する機械学習手法を構築した。これらの成果を、IEEE Pervasive Computing論文誌やユーザモデリングのトップ学会であるUMAPなどで発表した。平成21年度は、ユーザの嗜好、時空間情報、コンテキストを考慮した情報推薦手法に取り組んだ。具体的には、ユーザの説得性に着目し、センサやウェブなどの複数の情報源を元に、ユーザが受け入れやすい情報の推薦手法を構築した。実験を通して、提案手法が、協調フィルタリングといった従来手法に対して優れていることを示した。これらの成果を論文誌および学会で発表した、特に第8回情報科学技術フォーラムにおいては最優秀論文賞を受賞した。なお、提案手法は、経済産業省情報大航海プロジェクトの実証実験として実際にユーザに対するサービスとして提供された。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (18件) 備考 (1件)
情報処理学会論文誌 Vol.51, No.1
ページ: 63-81
IEEE Pervasive Computing Vol.5, No.4
ページ: 58-65
http://jiyugaoka.puratto-plat.jp/