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2009 年度 実績報告書

無麻酔個体動物を用いたイメージングによる視覚情報演算機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20800077
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

木村 梨絵  独立行政法人理化学研究所, 認知判断モデル連携ユニット, 研究員 (60513455)

キーワード一次視覚野 / カルシウムイメージング / 二光子レーザー走査型顕微鏡 / 方位選択性 / 個体動物in vivo / 無麻酔 / 脳の状態 / 出入力相関
研究概要

様々な脳領域からの神経入力を受け、自然な稼働状態の生体脳において、外部から与えた入力情報がどのように演算され、出力されるのかということは、いまだに不明である。そこで、本研究では、まず、無麻酔のラット個体動物を用いて、入力-出力相関が観察されやすい一次視覚野V1に焦点を当て、入力視覚刺激に対する出力応答を検討することにした。本研究では、昨年度までに、無麻酔のラットを脳固定装置に固定して、視覚刺激を提示したときの神経活動をV1より二光子励起機能的多ニューロンカルシウムイメージングをすると同時に、埋め込み電極から皮質脳波(ECoG)を記録する、実験システムのセットアップを行った。このシステムでは、ラットの様子、瞳孔位置をモニターできるようにした。この実験システムを用いた検討によって、V1野の神経細胞は、同じ視覚刺激を提示しても試行ごとに異なる応答を示すことが、昨年度の研究により、明らかとなっていた。本年度は、この試行ごとの応答のばらつきが、脳波から想定され、主に覚醒度に基づく、"脳の状態"によって変化するのかどうかを検討した。また、与える視覚刺激のコントラストを変化させたときに、脳の状態依存的な試行間ばらつきが変化するのかを検討した。この結果、試行ごとの応答のばらつきは、脳の状態によって変化し、さらに、コントラストを変えることによって、影響を受けるという傾向が観察された。以上から、実際の生体脳においては、脳の状態依存的に入力情報の演算様式の多様性を変化させ、また、入力情報が多少変わるだけで、演算様式の多様性が変化するが、多様性の変化の方向性は、脳の状態依存的に異なるということが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 神経ネットワーク活動の可視化 Visualization of neuronal network activity2009

    • 著者名/発表者名
      木村梨絵、池谷裕二
    • 雑誌名

      雑誌『蛋白質核酸酵素』Tanpakushitsu Kakusan Koso 54(15)

      ページ: 1952-1957

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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