研究概要 |
提案したパケットスケジューリング機能の一部をLinuxオペレーティングシステム上に実装し、10ギガビットイーサネット環境での動作確認および基礎的な評価を行った。具体的には、バイトクロックスケジューリング方式に基づいて、(1)8Kbpsから10Gbpsの範囲に渡る精密な帯域制御と(2)トラフィッククラスごとの目標レートに比例して帯域を傾斜配分する帯域共有を実現した。さらに、予定よりも前倒しで10ギガビットイーサネットの実験環境を構築し、実装を行った。実験結果より、既存のトークンバケット方式(Linux HTB)よりも、精密なトラフィック隔離と公平な帯域共有が両立できることを確認した。これにより帯域利用率の向上とバイトクロックスケジューリング方式の適用範囲の拡大が期待できる。また、本機構は、専用ハードウェアを前提とすることなく、一般的なPC上でソフトウェアとして実現できる点に特色があり、幅広い応用が期待できるが、従来はギガビットイーサネットまでしか動作を確認できていなかった。今年度は10ギガビットイーサネット対応を行い、その動作を確認した。研究成果として、2008年11月にアメリカ・テキサス州で開催されたInternational Conference for High Performance Computing,Networking,Storage,and Analysis(SC 2008)に参加し、Research Exhibitにてポスタ展示を行った。また、情報処理学会HPC研究会(HOKKE2009)にて口頭発表を行った。これらの場において、国内外の研究者と議論を行い、成果をアピールできた。
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