医療福祉系労働に従事する日勤者19名と夜勤をともなう交代制勤務者25名を対象とし、5週間にわたり日々の身体活動、眠気、疲労、ストレスを記録した。日勤時では、勤務時間帯(10:00-18:00)の歩数は交代制勤務者のほうが日勤者と比較して有意に多かった。両群ともに疲労とストレスの自覚レベルは勤務時間帯に増加し、非勤務時間帯には減少した。ただし日勤日の夕方では、交代制勤務者の両自覚レベルは日勤者より有意に高かった。眠気の自覚レベルは、日勤者では疲労やストレスの自覚レベルと同様に推移したが、交代制勤務者では日勤前後で有意な差は認められず、午前の眠気レベルは日勤者より有意に高かった。夜勤時では、勤務時間帯(18:00-10:00)の1時間あたりの歩数は、日勤時と差が認められなかった。眠気、疲労、ストレスの自覚レベルは、勤務時間帯に増加し、その後の非勤務時間帯(10:00-18:00)では減少しなかった。一方、非勤務時間帯での歩数の増大はその後の眠気の減少と関連していた。これらの結果は季節による影響は認められなかった。また交代制勤務者では、非勤務時間帯の身体活動量が多いと身体に関する生活の質の向上をもたらすことが認められた。以上より交代制勤務者において非勤務時間帯での身体活動は疲労や身体の健康と関連する可能性があることが示唆された。このことは交代制勤務者の心身の疾患の予防や改善のための有効策としての身体活動を検討する上で重要であるといえよう。
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