研究課題
フラーレンとCNT内部の親和性の違いに基づく分子ふるいや位置制御ドーピングを実現する為には、フラーレンがCNT内部へ内包される駆動力の由来を突き止めることが必要不可欠である。本研究では、様々なフラーレン種(サイズ、電子状態、など)やドーピング条件(温度、真空度、など)を変化させて、フラーレン分子の内包率の違いを系統的に明らかにすることが重要である。フラーレン種に関しては本研究を遂行する以前より予備的実験を進めており、得られた結果が本研究を着想する経緯となっているが、これら結果をより充実させ系統的な位置づけを図るためには、とりわけドーピング条件を細かく調べ内包率評価を進めることが鍵である。また、ドーピングにおいて、昇華したフラーレンと競合しうる気相分子を排する為には、高真空かつ加熱が可能な試料容器が必要不可欠であった。そこで、初年度においては、このような高真空排気装置を備えた真空加熱装置を設計と開発を最優先に行った。本事業において、真空度を正確に観測する必要があり、クリスタルイオンゲージ1式と3個所を同時にモニタ可能な表示器を導入していた。また、ドーピング反応を進行させるガラスキャピラリーと高真空排気装置を接続するガラスモニタ可能な表示器を導入していた。また、ドーピング反応を進行させるガラスキャピラリーと高真空排気装置を接続するガラス真空ラインも導入した。これにより、ドーピング条件の緻密な設定が可能になった。他方、電子状態の違いがドーピング条件に与える影響を評価するために、多波長の励起光源を備えた顕微ラマン分光を行っている。ドーピング後に出現するラマンピークの同定の為にはレーザ光出力を調節する必要があり、継続的に観測データの蓄積を図っている。
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ACS Nano 2
ページ: 485-488
http://www.researcherid.com/rid/B-6058-2008
http://web.mac.com/takashi.shimada/Site/Publication.html
http://ykkato.t.u-tokyo.ac.jp/index.ja.html