研究概要 |
広告効果を測定するにあたり、多くが露出量のデータを用いている。しかし広告を管理する問題を考えた場合、マネージャーがコントロールできるのは広告露出量ではなく出稿量である。本研究の目的は広告効果を露出量ではなく出稿量で測定する広告管理モデルをベイズモデリングにより構築することと、そのモデルを用いて広告出稿量のカスタマイゼーションについて示唆を得ることである。特に平成20年度は以下の成果を得た。 (1)階層ベイズモデルを用いて広告露出モデルを構築する。 シングルソース・データに記載されている各家計の広告露出回数データと、それから計算されるGRPデータを用いて,パラメータに消費者間の異質性を考慮した広告露出モデルを構築した。 (2)広告管理モデルを構築する。 広告効果測定モデルに(1)で得た広告露出モデルを組み合わせることで、露出量で広告効果を測定するのではなく、GRPを与えた時のブランド選択確率や市場シェアで広告を評価する広告管理モデルを構築した。 (3)広告管理モデルに含まれるパラメータを規定する要因を分析する。 インスタントコーヒーシェアの大きい3ブランドに関するシングルソース・データに広告管理モデルを適用し、パラメータ推定に家計の属性データを回帰させるモデル(階層モデル)から、パラメータを規定する要因として以下の結果を得た。(1)全てのブランドで女性が多い家庭ほど広告露出確率が高い。(2)ブランド3では家族の平均年齢が低い家庭ほど露出確率が高い。(4)女性が多い家庭ほど広告に対する反応が大きい。(5)家族の平均年齢が高い家庭ほどフランド1の広告残存率が高い。
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