研究概要 |
平成21年度は3編の雑誌論文の発表と1件の学会・国際会議発表を行った.これらの研究成果は次のように分けることができる. (1)仕組債の評価:ダブルバリア型エクイティリンク債の評価モデルを提示し,その理論的枠組みを論究した.2種類(ブルタイプ,ベアタイプ)のダブルバリア型エクイティリンク債の評価をおこない,その定性的性質を考察した. (2)償還条項付きロシアンオプションの評価:売り手と買い手の両者が権利行使可能な償還条項付きロシアンオプションの定式化および価格評価をおこなった.さらに売り手および買い手が権利行使をすべき閾値(最適行使境界)の解析的な性質を導いた. (3)原資産価格が不連続な点をもつモデルの延期オプションへの適用:原資産価格が連続の部分は幾何ブラウン運動にしたがい,ジャンプはポアソン過程により発生し,そのジャンプ幅の対数が両側指数分布にしたがうジャンプ拡散過程によるモデルをリアルオプションの延期オプションに対して適用した. これらの研究成果は査読付き学術論文および国際会議査読付き論文として発表された.これは研究の目的および研究実施計画の観点から十分な成果であると考えられる.
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