研究概要 |
本年度は、昨年まで行ってきた研究理論および研究材料の収集から、具体的な言語材料や言語研究を基にした記述・分析を行い、まとめる段階に入った。 具体的には、主に(1) カシュブ語研究、(2) スロヴェニア語研究、(3) クロアチア語研究を行ったが、中でも「所有文」からの派生構文としての「間接受動文」の類型的研究で成果を挙げた。当該構文の研究は、上記3言語において、これまで全く行われていなかったので、個別言語研究の貢献と同時に、スラヴ語類型論の貢献にもなった。この成果は3月末にロシアとイギリスの国際学会で発表される。また新刊のロシア語文法書への書評論文(Russkij jazyk za rubezhom 210, No.5)、A・ラブダによる未刊のカシュブ語文法の紹介と批評も行った(2009年1月10日の地域研究コンソーシアム次世代ワークショップ)。 その他、本研究の国際的な意義についても述べる必要がある。本年度の成果を出すにあたり交流を続けてきた海外の研究者(アメリカ、デンマーク、ポーランド、オーストリア、セルビア、クロアチア、マケドニア)とともに、ICCEES (International Council for Central and East European Studies)の全国大会で二つのパネル案を提出するなど個人研究から国際共同研究という新たな段階に進んでいる。
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