研究期間の初年度である平成20年度は、次年度における本格的な調査のための準備として以下のような活動を行った。 補助金交付直後の平成20年9月上旬より、研究上必要な機器の発注にとりかかり、その後順次必要な資料を購入していった。その過程で『天津特別市市政府市政公報』、『天津特別市公署公報』、『社会局公報』、『天津市社会局行政周刊』など中華民国期に天津で発行された雑誌資料をマイクロフィルムのかたちで入手することができた。また、「The Universal Digital library (http://www.ulib.org)」など、インターネット上のデジタルライブラリーより、天津市教育局編『督察彙刊』1931年など多くの資料を手に入れることができた。さらに、平成21年2月下旬から3月上旬まで、中華人民共和国の天津において資料調査を行い、現地の市立図書館・档案館・大学図書館などで『天津市社会局統計彙刊』をはじめとする貴重な資料を収集した。また、その際現地の研究者とも交流し、中国近現代史に関する情報を交換した。なお、これまで収集した以上の資料からは、適宜関連情報の抽出を行っている。 研究成果の公開については、平成20年12月に「近代中国の地域像」研究会(於:慶應義塾大学)において、研究成果の途中経過報告を行った。また、平成21年3月には、論文1本が静岡大学人文学部アジア研究プロジェクト『アジア研究』第4巻に掲載される予定である。 以上の活動により、次年度における本格的な調査のための準備という本年度の目的は十分達せられたと考える。
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