研究概要 |
本研究の目的は、多特性多方法を用いた今までの研究を系統的に収集し、それを共分散構造分析で再分析し、その結果を統合することで、「言語能力」(trait)および「テスト方法」(method)が「テスト得点」に与える影響についての現在の最良の知見を得ることである。更には、言語能力およびテスト方法の影響に関連する要因を特定することも目指す。 本年度は研究方法に焦点化し、公刊・未公刊両方の先行研究を幅広く収集するために効率的なテータベースの使用法を検証した。第1に、応用言語の分野でわれた15本のメタ分析論文を調べた結果、ERIC, LLBA(Linguistics and Language Behavior Abstracts), ProQuest Dissertations and Theses, PsycINFOが特に多く使われていることが分かった。また、単独の研究内であっても、これら4つのデータベースを組み合わせた使用が多く見られた。第2に、応用言語学の分野の代表的な24のジャーナルを対象として、これらのジャーナルを内容的・年代的に最も広範囲に収録するのはどのデータベースかを調べた。その結果、ERIC, Linguistics Abstracts, LLBA, MLA International Bibliography, Scopusが特に優れていることが分かった。本研究の結論は、応用言語学の分野でメタ分析を行うには、少なくともERIC, LLBAを使用し、研究目的に応じ上記のその他のデータベースを使うことである。さらに、各ジャーナルのホームページで提供されている検索機能の使用すること(そのジャーナル内に限られるが)、およびback issueがCD-ROMなどの媒体で販売されていれば入手し内部検索を行うこと、も述べた。研究結果は論文として採択され、印刷中である。
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