研究課題
1.本年度研究費は、文献収集ならびにフランス国立文書館海外部門、フランス国立図書館を中心とした史料調査(2009年9月)にあてられた。理論的側面では近年フランス近現代史・植民地史研究の分野で注目を集めている法社会学分野の研究を中心に精査し、一次資料としては定期刊行物、地図、図像史料などを収集した。2.史資料の分析を通じて、植民地における異文化間接触の場となった都市の特異性について考察をすすめ、同時に、19世紀中葉アルジェリアをフィールドとしたフランス人によるイスラーム研究の展開について研究を行った。3.国際学会における口頭発表として、アジア世界史学会第一回大会において若手研究者主体のワークショップ"Colonial and Imperial Cities in the 19th and 20th Centuries : Approaches from the "Peripheries"を企画し、自らも報告を行った(2009年5月)。日本-欧州先端科学セミナーにおいても研究発表を行った(2010年2月)。4.雑誌論文、図書としては、業績リストに掲載した2点以外に分担執筆した図書1点が印刷中、査読雑誌論文1点を提出済みである。5.本研究を通じて、植民地における都市・農村関係、都市における学知の形成がそれぞれに矛盾を包摂しつつ確立されていったプロセスをさらに研究するための有益な知見が得られた。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件)
Comparative Imperiology "Recognized Legal Disorder : French Colonial Rule in Algeria"を分担執筆(Slavic Research Center, Hokkaido University)
ページ: 17-30
『バスティード フランス中世新都市と建築』「ヴィオレ・ル・デュクとオリエント」を分担執筆(中央公論美術出版)
ページ: 61-62