本研究は外国語科目のeラーニングにおいて学生の学習を支援するメンターを養成するための研修プログラムを設計、開発し、運用することが最終目標である。平成21年度は、外国語eラーニングの自律学習環境において、メンターはどのような役割を担い、学習者の支援を行う必要があるのか調査するために、本学の外国語eラーニングにおけるメンターの支援行動を観察・分析すると同時に、自律学習研究で有名なフランスのナンシー大学を訪問し、専門家にヒアリングを行った。支援行動の観察からメンターには学習者が外国語学習やコンピュータの操作で直面した問題を解決するための役割が求められていたことが分かった。ヒアリングの結果によると、それらの役割だけではなく、メンターは学習者が外国語を学習する方法を意識化し、自身の学習行動を管理・統制できるようにメタ認知を高める役割を担うことも重要であることが明確になった。これらの調査から得られた結果を統合する形で、外国語eラーニングにおいてメンターに求められる支援活動(外国語学習の支援・技術的な支援・異文化理解の支援・メタ認知を高める支援)を抽出し、それに対応するスキルを設定し、メンターが学習者の支援をする中で自身の活動を自己評価し、自身のメンター活動を振り返りながらスキルアップを図るためのツールである外国語メンターポートフォリオの開発を進めた。そして、このポートフォリオで設定したスキルセットをもとに外国語メンター研修プログラムを設計・開発を進めている。
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