研究課題
研究実施計画書に沿って以下の3項目の計画を遂行した。1、ゲッティンゲン所蔵梵文写本写真コレクションの電子化と全体像の把握。2、同資料の解読研究。3、ローマコレクションにおけるチベット伝来梵文写本写真資料の解読研究。各項目の詳細は以下の通り。1、平成21年9月、日本印度学仏教学会(於大谷大学)のパネル「梵文写本研究の現状と課題」において「近年の仏典梵文写本研究の動向-チベットおよびネパール所蔵梵文写本を中心として-」と題して、ゲッティンゲン所蔵資料を含む、チベット・ネパール伝来仏典梵文写本にかんする近年の研究動向について研究発表をおこなった。また、平成22年3月にゲッティンゲンを訪れ、スキャナを用いて写真資料を電子化した。今回までに電子化しえた資料はコレクション全体の9割ほどに及ぶ。また、コレクションの由来を解明するために、チベット語で記された梵文写本調査記録を和訳し、写本調査が行われた1930年代当時のチベットにおける調査旅程と調査目的を明らかにし、その成果を刊行した(下掲第4論文)。2、ゲッティンゲン・コレクションの写真資料Xc14/34所収のヴァイローチャナラクシタ著『二十論語釈』、『法法性分別論語釈』、『荘厳経論語釈』の解読を進め、前二者の校訂テクストを収録した学術叢書『マニスクリプタ・ブッディカ』が刊行された(下掲第1論文)。3、イタリア国立アジア・アフリカ研究所所蔵のチベット伝来梵文写本写真コレクションにかんして、未比定写本断片を比定し、その成果と写本影印版を刊行した(下掲第2論文)
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高野山大学論叢 45
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密教文化研究所紀要 23
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Manuscripta Buddhica, Vol.I : Sanskrit Texts from Giuseppe Tucci's Collection, Part I.Serie Orientale Roma.Roma : IsIAO, 2008.[発刊年2009.12]
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