1.資料収集(方言資料、文献資料)について 方言資料は研究代表者が実地調査によって集めた。調査方法は統一調査票を用いた質問調査である。長崎県、熊本県下のカトリック教区(長崎大司教区浦上教会(長崎県長崎市)、同山田教会(長崎県平戸市)、福岡教区崎津教会(熊本県天草市)、同大江教会(同))にて、信者の方と神父様にそれぞれ調査をおこなった。また、渡来語を名に冠した商品を製作している会社(「かぴたん」福田酒造(長崎県平戸市)、「ばてれん長崎」山崎本店酒造場(長崎県島原市)、「クルス」小浜食糧株式会社(長崎県雲仙市))に対して、命名の動機・経緯について聞き取り調査おこなった。 文献資料のうち、中世末期から近世初期にかけて出版されたいわゆる「キリシタン資料」について、影印版、翻刻版の公刊されているもの(『日葡辞書』『日本大文典』『ぎやどぺかどる』『ドチリイナキリシタン』『こんてむつすむん地』『志無也久世無志與』など)は購入した。また、明治初期に出版されたカトリック関係資料、プロテストタント関係資料については、原本、影印版、翻刻版の所蔵図書館を訪ね、必要箇所をコピーした。 以上のとおり、本研究に必要な基礎資料を概ね収集することができた。 2.資料のデータベース化(方言資料の地図化、文献資料の電子化)について 1.によって得られた方言資料の電子化(Excelファイル)を進めた。購入、複写した文献資料も順次電子化をおこない、データベースの作成を進めた。平成21年度も引き続き資料のデータベース化を進め、言語地図を作成し、各語の史的研究をおこなう。
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