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2009 年度 実績報告書

偏った自己認知における情報処理メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 20830010
研究機関筑波大学

研究代表者

外山 美樹  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30457668)

キーワード自己認知 / 情報処理 / 防衛的悲観主義 / 方略的楽観主義 / 学業達成 / 達成目標 / 大学生
研究概要

防衛的悲観主義(過去の似たような状況において良い成績を修めているにも関わらず,これから迎える遂行場面に対して低い期待をもつ認知的方略)と方略的楽観主義(過去の高いパフォーマンスに対する認知と一致した高い期待をもつ認知的方略)は,パフォーマンスを高める認知的方略であることが示されている。
ところで,先行研究においては,なぜ両者の認知的方略がパフォーマンスを高めるのか,そのメカニズムについては組織的に検討されていない。そこで,研究1では,パフォーマンスにおける認知的方略の役割について検討し,両者の認知的方略がパフォーマンスを高める要因について探った。その結果,防衛的悲観主義者と方略的楽観主義者とでは,学業達成につながるプロセスが異なることが示された。防衛的悲観主義者はメタ認知方略を多く用い,そのメタ認知方略を使用することが高いパフォーマンスにつながることが示された。一方,方略的楽観主義者はメタ認知方略の使用が学業達成には影響せず,学習時間が多いことが高いパフォーマンスを保つことができる理由だと考えられた。
さらに,これまでの研究では,両者の認知的方略がどのようにパフォーマンスにつながるのかが検討されており,パフォーマンス後の影響については検討がされていない。そこで,研究2では,パフォーマンスが失敗に終わった時に,DP者およびSO者がどのような感情を抱き,どのようなコーピングをとるのかを比較検討した。また,これまでの研究では学業領域における認知的方略を扱ったものが多く,その他の領域(ex.運動)における認知的方略の研究はほとんど見られない。そこで,アスリートを対象にし,非アスリートとの比較によって,失敗後のDP者ならびにSO者の特徴を明らかにした。その結果,防衛的悲観主義者と方略的楽観主義者とでは,失敗後の感情やコーピングが異なるが,その影響はアスリートと非アスリートでは異なることが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      海保博之・中込四郎・石崎一記・外山美樹
    • 雑誌名

      ワードマップ ポジティブマインド-スポーツと健康、積極的な生き方の心理学-(新曜社)

      ページ: 139-207

  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      外山紀子・外山美樹
    • 雑誌名

      やさしい発達と学習(有斐閣)

      ページ: 293(115-228、251-272)

  • [雑誌論文] 社会的比較が学業成績に影響を及ぼす因果プロセスの検討-感情と行動を媒介にして-2009

    • 著者名/発表者名
      外山美樹
    • 雑誌名

      パーソナリティ研究 17

      ページ: 168-181

    • 査読あり
  • [学会発表] 防衛的悲観主義は適応的か?2009

    • 著者名/発表者名
      外山美樹・市原学
    • 学会等名
      日本教育心理学会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2009-09-20
  • [学会発表] 学業達成に影響を及ぼす認知的方略-防衛的悲観主義と方略的楽観主義-2009

    • 著者名/発表者名
      外山美樹
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2009-08-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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