本研究プロジェクトにおいては、サーチ・マッチング理論と動学的契約理論を用いたマクロ経済学的な労働市場分析を行った。なかでも、両理論を組み合わせた長期雇用モデルを用いた、長期の生産成長率の高低が失業率・就業継続期間等に与える影響の分析が研究の中心であった。研究に際しては、モデルの特質の理論的解明と、シミュレーションによるモデルの数量的な性質の探求及びデータとの比較の双方に重点を置いた。本研究プロジェクトを構成する三本の論文(当初より予定していた二論文に加え、後に追加した一論文)を国際的学会や、大学のセミナー等で活発に発表した。こうした場でのフィードバックを元にして改訂を行った末に三論文を完成させ、現在査読付雑誌への掲載を目指している。
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