研究概要 |
1. 研究対象 特に, 再生医療及び司法精神医学を中心として, それに関する法的問題(具体的に, 再生医療に関しては, 新たに注目され始めたヒト由来の生体素材の利用に関する問題, 治療的クローン技術に関する問題, そして,司法精神医学に関しては, 脳研究と法的責任能力に関する問題)を対象とした。国内外の研究者との情報交換をし, 欧州圏における議論を中心に, 基礎的資料の収集及び整理を行った。更に, 医事法分野において, 昨今, 注目される終末期医療における問題に関心の領域を広げ, 欧州圏の情報を収集し, その中でも, 特に, スイスにおける状況を中心に, 整理を試みた。 2. 実施内容 平成20年11月においては, 特に, 司法精神医学と刑事法に関する研究成果が認められ, 日本犯罪学会より, 学術奨励賞が授与された。同時に, この点に関する学会発表を行った。 平成21年3月においては, ドイツ・ベルリンでの医療安全政策に関する国際学会に参加し, そこにおける議論状況を実地で検証しながら, 関連機関における役割, 及び, その役割の適正化を図る手続・法整備に関する情報収集を行った。 以上における問題対象・問題関心について, それらを批判的に検討すると同時に, 幾つかの研究論文をまとめた。20年度中にまとめきれていなかった部分に関しては, 21年度に向けて, 研究成果の公開を準備している段階である。
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