研究課題
平成20年度の実績は第一に、東南アジア諸国、特に、研究対象国(カンボジアとラオス、タイ)の教育発展の歴史や現在の学校教育、教育改革の状況を整理したことである。第二に、ラオスとタイを訪問(平成21年2月15日〜3月1日)し、両国教育省や国際機関の職員、公立小学校の教員等と面会し、平成21年度に予定しているフィールドワークの準備を行った。本研究は、上記3カ国における教育の地方分権化の具体的施策を考察し、分権化の一形態であるコミュニティ参加の現状を明らかにしようとするものであるが、平成20年度は、これら3カ国、とりわけ、ラオスとタイにおける分権化の類似点と相違点を検討することができた。具体的には、3カ国とも、学校ごとの委員会等の設置により学校へある程度の権限を委譲しようしている。これまでの中央政府に代わり、県や郡に財政の権限を移そうとしていることも共通している。一方、一党支配体制のラオスでは中央政府(教育省)よりもむしろ政党が幅を利かせており、県や郡、学校の教育行財政へも大きな影響力をもつ。タイではラオスほど政治的な関与は強くなく、学校ごとのカリキュラム編成等も行われており、タイ現地で訪問した小学校でもさまざまな創意工夫(ICTや英語の導入等)が見られた。研究代表者によるこれまでの研究から、カンボジアは両国以上に分権化は制度的には進んでいると判断できる。
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香川大学留学生センター紀要 第4号
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Overcoming Inequality : Why governance matters, Background paper prepared for the Education for All Global Monitoring Report 2009 無
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国際協力論集 第16巻第1号
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