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2008 年度 実績報告書

青年期における恥感情の扱い方と現実的な自己概念の形成過程についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 20830074
研究機関浅井学園大学

研究代表者

川崎 直樹  北翔大学, 人間福祉学部, 講師 (90453290)

キーワード自己概念 / 青年期 / 発達 / 質的研究 / 恥
研究概要

平成20年度では,大学生を対象とした面接調査と,青年を対象としたweb調査を実施した。(1)面接調査では,大学4年生を対象に,“自己の否定的側面との直面をした体験"を聴取し,その体験における,感情・認知・行動的プロセスを探索した。データは現在も分析中であるが,(a)現実との直面を恥などの感覚をもたらす単なる不快事態と捉えるか,自己の成長発達上の目的を遂げるためのステップと捉えるかによって,その後の自己概念の統合や適応状態に差が生まれうることが示唆された。(b)そうした体験を乗り越える上で,当人の自己価値感を直接的・間接的に支えてくれる他者の存在が重要であることが示唆された。(2)この調査結果を参考にしながら,全国の20歳前後の男女を対象にWeb調査を実施した。そこでは,自己否定的な現実に対する対処の仕方の個人差を測定する尺度を試作し,その特徴を分析した。その結果,現実との直面事態に対して回避的であることは,“自分は価値があるという感覚(自尊心)"とも“自分らしくあるという感覚(自己本来感)"とも負の関連を示すが,相対的には後者の“自分らしくある感覚"と顕著な負の関連を示すことが明らかとなった。現実から目を背けることは,自己価値の感覚を保護することはあるかもしれないが,それは“自分らしくある"という本来性(authenticity)の感覚を損なうリスク・コストがある方略であることが示唆された。自己概念の現実的変容には,自尊心の一時的損傷を伴う可能性があるかもしれないが,それはより統合された自己感覚を得るという大きな適応上・発達上のメリットをもたらすものであることが示唆されたとも考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 現実回避傾向と自尊心及び本来感の関連2009

    • 著者名/発表者名
      川崎 直樹
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 発表場所
      立命館大学(京都市)
    • 年月日
      20090826-20090828

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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