デューイは教育の目的を、「経験の絶えざる再構成」「より以上の成長」とし、従来の絶対的教育目的の観念を相対化した。これはきわめて有意義かつ妥当な言明ではあったが、しかしこの原理によるのみでは、教育はどのような経験を具体的に構想していけばよいのか、はっきりしない。本研究では、この問題を現象学的に解消する理路を提示し、さらにここにヘーゲルの洞察を援用することで、教育的経験=「成長」の指針原理を明らかにした。ひと言で概念化すると、「各人の<自由>および社会における<自由の相互承認>の<教養>を通した実質化」となる。
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