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2008 年度 実績報告書

歯科治療恐怖に対する認知行動療法プログラムの開発とその効果に関する実証的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20830111
研究機関松本歯科大学

研究代表者

古川 洋和  松本歯科大学, 歯学部, 助教 (60507672)

キーワード歯科治療恐怖 / 認知行動療法
研究概要

平成20年度は,歯科治療恐怖に対してこれまで欧米で有効であるとされてきた認知行動療法プログラムを精査し,わが国におけるその適用可能性を検討した。
【歯科治療恐怖に対する認知行動療法プログラムの精査】
歯科治療恐怖に対する認知行動療法プログラムを精査するにあたり,PubMedを使用して文献を収集し,記述的レビューおよびメタ分析を行った。記述的レビューを行った結果,歯科治療恐怖に対する認知行動療法では,応用リラクセーション,系統的脱感作,エクスポージャー,認知療法,モデリングなどといったさまざまな技法が含まれていることが明らかにされた。さらに,記述的レビューによって抽出された文献の中から,無作為化比較試験によって認知行動療法の有効性を検討した文献を対象にメタ分析を行った。その結果,認知行動療法は統制条件と比較して歯科治療に対する不安や恐怖を有意に緩和できることが明らかにされた(d=2.18,p<.001)。
【歯科治療恐怖に対する認知行動療法のわが国における適用可能性の検討】
記述的レビューおよびメタ分析によって有効性が確認された認知行動療法プログラムが,わが国における歯科治療恐怖患者に適用可能かどうかを明らかにするために,オープン試験によって認知行動療法の適用可能性を検討した。なお,本研究では,DSM-IV-TR(APA,2000)の特定の恐怖症,もしくはパニック障害の診断基準を満たし,通常の歯科治療が困難である歯科治療恐怖患者9名を対象とした。その結果,認知行動療法からのドロップアウト率は11.1%(1/9名)であり,非ドロップアウト者はすべて薬物療法(静脈内鎮静法,笑気吸入鎮静法,抗不安薬の投与)を行わなくても歯科治療が可能となった。したがって,欧米で実施されている認知行動療法プログラムはわが国においても適用可能であることが明らかにされた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 歯科治療恐怖に対する認知行動療法の有効性-メタ分析による検討-

    • 著者名/発表者名
      古川洋和 ほか
    • 雑誌名

      心身医学 (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] Effects of one-session cognitive behavior therapy for Dental phobia : A meta-analysis.2008

    • 著者名/発表者名
      Furukawa, et al.
    • 学会等名
      Association for Behavioral and Cognitive Therapies 42^<nd> Annual Convention
    • 発表場所
      Swan & Dolphin Hotel Orlando, US
    • 年月日
      2008-11-16
  • [学会発表] 歯科治療恐怖に対する1セッションの認知行動療法-無作為化比較試験を対象としたメタ分析による有効性の検討-2008

    • 著者名/発表者名
      古川洋和, ほか
    • 学会等名
      日本行動療法学会第34回大会
    • 発表場所
      日本教育会館東京都千代田区
    • 年月日
      2008-11-03

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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