• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

自治体財政に対する憲法的保障の構造と地方自治の実現

研究課題

研究課題/領域番号 20830113
研究機関中京大学

研究代表者

上代 庸平  中京大学, 国際教養学部, 講師 (90510793)

キーワード憲法 / 地方自治 / 自治体財政 / 制度的保障 / 地方財政 / 財政調整 / 公法学
研究概要

当年度の研究は、以下の4点を重点的な検討課題として進めた。すなわち(1)ドイツ各州の地方制度・地方財政制度に関する紹介、(2)ドイツ各州憲法裁判所における自治体財政調整に関する判例の集積および分析、(3)ドイツ各州憲法判例に関する学説の応答状況の調査および分析、(4)我が国における地方財政制度の状況に関する調査である。
(1)については、わが国の公法学にとってはなじみのない制度である自治体財政調整の法的機能に関して論文を執筆した(中京社会科学研究29巻1号)。自治体財政調整制度に関して公法学と財政学の両側面から検討を加えた業績はなお珍しく、今後この論点に関する検討に際しての一定の基礎を提供するものとなろう。(2)および(3)については、諸ラントの規定集やラント憲法・自治体法のコンメンタールを積極的に入手し分析を加えることに重点を置いた。特に各州の憲法だけでなく自治体財政法の規定形式をも検討対象に加え、それと自治体財政保障の程度の連関に関して考察を加えた論文(Law&Practice3号)は、これまで顧みられなかった多くのラントレベルの規定・判例を我が国に初めて紹介したものであり、またそれらの中にはドイツ自治体財政憲法の知見の結実とされるものも含まれている。この過程では、ラントレベルの自治体法政に関する資料を、体系的かつ豊富に収集することもできた。このように、資料の集積や分析に関しては一定の成果があげられたものと考えている。(4)については、岡山市の状況に関する判例批評を執筆したほか、平成21年4月1日現在で財政再生団体である夕張市・早期健全化団体である泉佐野市の状況に関する調査を実施した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 自治体財政調整の法的機能--事務権限配分との関係を中心に--2009

    • 著者名/発表者名
      上代庸平
    • 雑誌名

      社会科学研究(中京大学社会科学研究所) 29巻1号

      ページ: 71-100

  • [雑誌論文] 自治体財政保障のための規律形式--牽連性原理の具体化と形成を素材として--2009

    • 著者名/発表者名
      上代庸平
    • 雑誌名

      Law & Practice (早稲田大学大学院法務研究科臨床法学研究会) 3号

      ページ: 89-129

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ドイツ議会制度の特色と現代的課題-ドイツ型二院制と会派議会2008

    • 著者名/発表者名
      上代庸平
    • 雑誌名

      論究(衆議院調査局) 10号別冊

      ページ: 19-29

  • [雑誌論文] 財政法判例研究(岡山市地方交付税過大受給損害賠償等請求住民訴訟事件・岡山地判平成18年5月17日)2008

    • 著者名/発表者名
      上代庸平
    • 雑誌名

      会計と監査(全国会計職員協会) 59巻11号

      ページ: 36-42

    • 査読あり
  • [学会発表] 自治体財政の憲法的保護と制度的保障--最近のランド憲法裁判所判例の傾向2009

    • 著者名/発表者名
      上代庸平
    • 学会等名
      中京大学社会科学研究所288回定例研究会
    • 発表場所
      中京大学名古屋学舎
    • 年月日
      2009-01-17
  • [学会発表] 安全確保権限の垂直的配分2008

    • 著者名/発表者名
      上代庸平
    • 学会等名
      市民生活の自由と安全研究会(慶應大学・警察政策研究センター・公共政策調査会)
    • 発表場所
      慶應義塾大学三田校舎
    • 年月日
      2008-06-07
  • [学会発表] 調査票虚偽記載による交付税返還に伴う加算金相当額の賠償責任2008

    • 著者名/発表者名
      上代庸平
    • 学会等名
      財政法判例研究会(日本財政法学会)
    • 発表場所
      日本大学法科大学院
    • 年月日
      2008-05-19
  • [図書] 自由と安全--理論と実務2009

    • 著者名/発表者名
      大沢秀介, 小山剛(編著)
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      尚学社

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi