本研究は、オーストラリア・クイーンズランド州とカナダ・オンタリオ州における批判的リテラシー教育を比較検討することにより、グローバリゼーション下の社会における「公正で質の高い」(high equity & high quality)リテラシー教育のモデル化を試みることを目的とした。それにより、(1)リテラシーを社会的アクセスの実践としてとらえ、教師の高い専門性へのサポートと教育課程編成への自律性の保障を柱とする教育課程政策が進行している。(2)政府が提示するカリキュラムを大綱的なものにしている、という二点が不可欠との結論に至った。
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