本研究の目的は、アメリカ合衆国の医療保険が1950年代から1960年代にかけて医療保険分野で、どのように政治的ダイナミズムが変化し、1960年代にメディケア(高齢者向け公的保険)とメディケイド(貧困層向け公的保険)が成立したのかを明らかにすることである。より具体的には、退役軍人向けの医療プログラムと、福祉政策の発展がどのように利益集団政治を変容させていったのかに焦点を当てる。平成20年度は国内外で主に資料の収集を行った。特にワシントンDCでの資料調査では退役軍人団体であるAmerican Legionに関する古い資料を入手することができた。本研究の最終年度に当たる平成21年度は主に前年度に収集した資料を使いながら論文執筆を行い三本の論文を執筆した。
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