反強磁性的に相互作用する大きさ1/2のスピンが二次元三角格子状に配置されたときの基底状態と最低エネルギー励起を調べるためにスピン液体状態を示すことがわかっている有機物質κ-(BEDT-TTF)_2Cu_2(CN)_3とEtMe_3Sb[Pd(dmit)_2]_2の熱伝導率測定を100mK以下の極低温まで行った。κ-(BEDT-TTF)_2Cu_2(CN)_3についてはスピンギャップのあるスピン液体であることが初めて見出された。一方、EtMe_3Sb[Pd(dmit)_2]_2においてはギャップのないスピン液体であり、絶縁体であるにも関わらずに金属のような熱伝導性を示すことが分かった。
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