研究概要 |
非圧縮性粘性流体の局所的構造との関連が深いBurgers渦と呼ばれるNavier-Stokes方程式のある特殊な定常解について研究を進めた。Burgers渦は定常解であるため、それが小さな擾乱に対して安定かどうかという問題は、流体の局所構造の理解のためにも重要である。本研究におけるプロジェクトの中で、研究代表者はこの分野の専門家であるThierry Gallay氏(Grenoble, France)との共同研究を行い、Burgers渦が3次元的な擾乱に対しても安定であることを厳密に証明することに成功した。また、Burgers渦に対する線形化作用素の解析にも重要な役割を果たす、ある2階楕円型偏微分作用素の研究を行った。この微分作用素は非線形熱方程式の自己相似解を調べる際にも現れる重要なものである。本研究では特に、対応するレゾルベント方程式の解に対する空間遠方での減衰評価の研究を行い、詳細な各点評価を得ることに成功した。さらにこの結果を応用することによって、ある非線形熱方程式の自己相似解に対する空間遠方での詳細な各点評価を得ることができた。また、本研究を遂行するためにミネソタ大学のIMAに2009年9月から2010年3月にかけて滞在した。
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