研究成果の具体的内容 本研究の目的である逆コンプトン散乱X線発生のための電子ビーム輸送の最適化設計を実施した。X線発生実験においては、実際に本研究予算で整備した自動ステージ系を用いて永久磁石による四重極磁石をビームライン真空中、レーザーとの衝突点直前に設置した。これを用いたビーム輸送では、四重極磁石によるビームスポットの変化は確認できたが、X線測定領域におけるバックグラウンド量の関係からビーム集束の向上には、さらにビーム輸送設計を最適化する必要がある。 X線測定領域におけるバックグラウンド量の低減に関しては、実験ホール内の大きなレイアウト変更を実施することができ、これまでに比べて格段の改善がなされた。 意義、重要性 逆コンプトン散乱X線発生実験において、永久磁石による四重極磁石システムの真空チャンバー内への導入は、レーザーとの衝突点においてより高くビームを集束できる可能性がある。また、このシステムは、比較的安価で大きなビームラインの改造を伴わず、同じ実験ホールを共有するその他の実験に対して干渉しない。このような点が、本研究の意義、重要性である。
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