本研究では、すざく衛星とFermi衛星を同時に用いた超広帯域ガンマ線バースト観測によりガンマ線バースト付随のジェット構造を探ることを行う。本年度は、本研究の柱の一つである、Fermi衛星が打ち上がったので、Fermi衛星の初期運用に積極的に参加し、初期成果を効率よく引き出すことに重点を置いた。具体的には、Fermi衛星のガンマ線バースト観測体制に日本人の第一人者として積極的に参加し、打ち上げ前から準備していたガンマ線バースト自動解析プログラムを立ち上げ、現在に至るまで大きな貢献を果たした。日本においても解析グループを主導して組織し、日本グループの貢献度を向上させた。Fermi衛星は現在まで数例のガンマ線バーストを検出しているが、これらの体制により、そのうちの2例を実際、私が発見し、その結果を迅速に世界に公表することに成功した。現在、これらの結果については論文を執筆している。 一方、すざく衛星に関しても、運用当番、軌道上較正を主導してすすめ、より確かな科学的成果を得られるよう整備してきた。本年度はこれらの結果得られた科学的成果を論文として発表するとともに、国内会議や国際会議でこれらの科学的成果について報告を行った。
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