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2008 年度 実績報告書

FMO法による体内揺らぎを考慮した相互作用解析法の構築とプリオンタンパクへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 20850020
研究機関岐阜大学

研究代表者

石川 岳志  岐阜大学, 人獣感染防御研究センター, 助教 (80505909)

キーワードFragment Molecular Orbital法 / プリオンタンパク質 / PAICS
研究概要

平成20年度は、最初に、タンパク質と低分子化合物の相互作用エネルギーの計算に特化したスキームを作成し、申請者が独自に開発しているFMO計算パッケージ「PAICS」に実装した。これにより、全体のエネルギー計算に要する10分の1程度の時間で、相互作用エネルギーの計算を行うことが可能となった。また、より正確な相互作用エネルギーを得るために、基底関数の重なり誤差を除外する手法を実装した。次に、本研究で開発したプログラムを、プリオン病の原因物質と考えられているプリオンタンパク質と薬理効果を持つ低分子化合物(GN8)の相互作用解析に応用した。この際、MDシミュレーションのトラジェクトリーから抜き出した20点の構造に対してFMO計算を実行し、得られた結果を平均的に取り扱うことで、体内温度における生体分子の構造揺らぎの影響を考慮した。これまでは、このような複数の構造における生体分子の量子化学計算は、多くの計算時間を要するため実行困難であったが、相互作用エネルギーに特化したスキームを開発することで、これが可能となった。得られた結果から、GN8のどの部位がタンパク質との相互作用に重要であるか、どのアミノ酸残基がGN8と大きな相互作用を持つかを調べることに成功した。これらの情報は、今後、GN8を薬理効果の高い化合物へ最適化する際に有効に利用されると期待している。また、我々が開発したプログラムは、プリオンタンパク質に限らず、様々なタンパク質と低分子化合物の複合体に応用かのうである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Theoretical Study of the Prion Protein Based on the Fragment Molecular Orbital Method2009

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Ishikawa
    • 雑誌名

      Journal of Computational Chemistry (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 量子化学計算に基づく創薬研究へのアプローチ -プログラム開発と生体分子への応用-2008

    • 著者名/発表者名
      石川岳志
    • 学会等名
      第46回生物物理学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      20081203-20081205
  • [学会発表] Theoretical study of molecular interaction in prion protein based on fragment molecular orbital method2008

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Ishikawa
    • 学会等名
      The Chem-Bio Informations (CBI) Society
    • 発表場所
      Tokyo, Japan
    • 年月日
      20081022-20081024

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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