研究課題
ナノ領域で全光情報処理をするデバイスとして、ナノフォトニックデバイスが提案されている。本研究はナノフォトニックデバイスにおける光配線としての利用を目指し、DNA上に配列されたZnO量子ドット(QD)列を用いたナノ光伝送路(ナノ光トランスミッター)を作製するものである。目標とするナノ光トランスミッターは寸法比が1:√2のZnO QD(それぞれ小QD(SQD)、大QD(LQD))によって構成される。このQDはDNAに沿って配列されている。SQDの光学許容準位に対応するCW光を入力する事で励起子が生成され、近接場光相互作用により励起子がLQDの光学禁制準位に移動する。そして、この禁制準位から高速に基底準位に緩和するため、エネルギーの一方向性移動が確定し、逆流の生じない高効率光エネルギー伝送が実現する。我々はこれまでにLQDをDNAに固定させることに成功している。今年度は、SQDをDNA末端に固定する手法について検討を行った。DNA末端へのZnO QD固定には、アビジンービオチン間で働く疎水性相互作用による結合を利用する。ZnO QDにアビジンを修飾した後、DNA末端に修飾されたビオチンと反応させる事でZnO QDがDNA末端に固定される。アビジンを修飾したZnO QDに蛍光色素付ビオチンを結合させ、光学顕微鏡・蛍光顕微鏡(水銀ランプ励起)で観測した結果から、ZnO QDとアビジンが結合できており、ZnO QDがビオチンと結合可能である事を確認した。
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Appl.Phys.Lett. 96
ページ: 133106 1-3