研究概要 |
本研究の目的は,体験記録情報を元に,メディア技術を用いて行動を文脈として再構成し,リアルタイムに可視化し,記録した「体験」を「経験」として提示することで,体験記録者本人の日常行動を支援するための方法論を明らかにすることである.この場合重要なことは,過去を振り返るだけではなく,体験記録者本人の経験となるように行動を構造化することであり,日常的に過去を利用できる形で可視化・情報提示をしなければならないことである. 平成20年度は下記の3点について研究を行った.(1)体験記録情報の取得・GPS,カメラ,音声を備えたウェアラブルコンピュータによる体験記録取得装置を作成した.・複数作成した体験記録取得装置を用いて体験記録情報を取得する.客観的な行動を取得するために,一部の体験記録については,外部からビデオカメラでの情報取得も行った.・体験記録情報をリアルタイムにサーバにアップロードして解析可能な仕組みを構築中である.(2)体験記録情報からの行動推定・文脈生成・カメラ画像による場面切り替えの検出・各種センサ情報のクラスタリングでの分節化およびセンサのパラメータごとに行動を抽出・外部カメラ映像からの意味論とクラスタリング結果との意味づけをし,行動を推定・推定された行動同士のクラスタリングおよびネットワーク化し、行動のつながりを抽出・行動のつながりから文脈の生成(3)体験記録情報による行動・文脈のリアルタイムな可視化手法の構築・推定された行動・文脈をリアルタイム可視化を検討した.いわば過去のスケジュール帳ができるについて実装中である.・スケーラブルに行動・文脈を表示できるシームレスなViewerを構集中である.現在,上記について構築中および実装中のものがあり,その後,解析などを加えて結果が出次第,論文などとして公表予定である.
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