酸化ニッケル薄膜を用いた抵抗変化型メモリ(ReRAM)は次世代不揮発性メモリとして期待されているが、酸化ニッケルの基本的な物性および抵抗スイッチングメカニズムは未だ不明である。本研究では、抵抗スイッチングメカニズムを解明すべく、酸化ニッケル薄膜のフォーミング過程や酸素組成に着目し、抵抗スイッチング特性や薄膜中の欠陥について調べた。アドミッタンス法や初期状態あるいは高抵抗状態における抵抗値の活性化エネルギーから、Pt/NiO_<1.07>/Pt積層構造は正孔をトラップする深さ170meVの位置に存在する欠陥準位からの正孔の熱励起によるバンド伝導を示唆するものと考えられる。
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