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2009 年度 実績報告書

コケ植物による環境調整型建築外部空間の創造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20860076
研究機関金沢工業大学

研究代表者

円井 基史  金沢工業大学, 環境・建築学部, 講師 (80508341)

キーワードコケ植物 / 熱・水収支 / 屋外実験 / 蒸発量 / 建築外部空間 / 表面温度 / イメージ抽出 / 熱環境調整
研究概要

本研究では、コケ植物の持つ熱環境調整効果、芸術性を有する建築材料としての可能性に着目し、コケを利用した環境調整型の建築外部空間の創造に取り組んでいる。助成研究期間内(2年間)では、コケ緑化建築部材の開発および、コケを利用した建築外部空間の設計に向けた基礎的な知見を得ることを目的としている。
当該年度(平成21年度)においては、1)生育環境の異なるコケ植物の熱・水収支特性の把握、2)伝統的・現代的景観内におけるコケ植物のイメージ抽出について取り組んだ。結果を以下にまとめる。
1)生育環境の異なるコケとして、(A)コンクリートに自然発生したコケ(主にハマキゴケ、ホソウリゴケ等)(日陰)、(B)庭園材としてのコケ(砂60mmの上にスギゴケ)(日陰)、(C)既存のコケ緑化材(スナゴケ)(日向)の3試験体について、屋外実験により夏季の熱・水収支を計測した。降雨後で十分保水していた夏季晴天日における日積算蒸発量は、(A)0.4kg/m^2(日陰)、(B)0.8/m^2(日陰)、(C)1.5/m^2(日向)程度であった。晴天日が連続すると、C試験体(日向)は2日程度で蒸発量が大きく減少し、コケの表面温度は60℃程度まで上昇した。A試験体(日陰)では3日間程度蒸発が持続し、その間、日中の表面温度は気温より2℃程度低く維持された。B試験体(日陰)は砂層に保水性があり、晴天日が続いても蒸発が維持され、日中の表面温度は気温より4℃程度低く維持された。
2)コケのある景観の心理評価として、2段階SD法による評価手法を提案した上で、コケのイメージを抽出した。コケの共通なイメージとして「自然な」「じめじめした」が挙げられること、また庭園等で人為的に管理されたコケでは「健康的な」「美しい」、現代的な都市空間における自然発生的なコケでは「嫌い」「醜い」というように、イメージが異なることが確認できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] コケ植物が付着・生育する人工被覆面の空間形態に関する-考察2009

    • 著者名/発表者名
      円井基史
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集 環境工学I

      ページ: 879-880

  • [学会発表] コケ植物が付着・生育する人工被覆面の空間形態に関する-考察2009

    • 著者名/発表者名
      円井基史
    • 学会等名
      日本建築学会大会
    • 発表場所
      東北学院(宮城県)
    • 年月日
      2009-08-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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